選挙・公人

選挙のSNS運用|公職選挙法で気をつけること と、支持が広がる発信の順番

解禁されたとはいえ、何をしてもいいわけではありません。しかもルールは支援者にも及びます。

インターネットを使った選挙運動は、2013年の公職選挙法改正で解禁されました。 それから10年以上が経ち、いまではSNSを使わない選挙のほうが珍しくなっています。

ただ、解禁されたとはいえ「何をしてもいい」わけではありません。 うっかり踏むと厄介なルールがいくつかあり、しかもそれは候補者だけでなく、応援している支援者にも及びます。 この記事では、まず外せない線引きを整理し、そのうえで支持が広がる発信の考え方をまとめます。

まず押さえる、5つの線引き

項目候補者・政党一般の有権者
SNS・ウェブサイトでの選挙運動できるできる
電子メールでの選挙運動できるできない
投票日当日の選挙運動できないできない
18歳未満による選挙運動できない
有料のインターネット広告原則禁止(政党等に一部例外)できない

特に事故が起きやすいのが、上から2番目と3番目です。

「電子メール」の線引きが分かりにくい

支援者が善意で応援メールを一斉送信してしまう、というのはよくある事故です。 ここでいう電子メールはSMTP方式とSMS方式を指すとされていて、 一方でSNSのダイレクトメッセージは「ウェブサイト等」の扱いになるため有権者でも使えます。 直感に反する分け方なので、支援者向けの案内をつくるときは必ず明記しておくことをおすすめします。

投票日当日は、投稿を止める

選挙運動ができるのは公示・告示日から投票日の前日までです。 投票日当日に「投票お願いします」と投稿すると、候補者本人でも違反になります。 支援者が当日に応援投稿をしてしまうケースも起きるので、事前の周知が重要です。 なお、すでに投稿済みのものを削除する義務はないとされていますが、当日の新規投稿は避けてください。

なりすましと、事実でない投稿

他人の氏名を偽って発信すること、当選させない目的で虚偽の事実を公表することは、 それぞれ罰則のある行為です。相手陣営についての未確認情報を拡散しない、というのは 法律以前に運用のルールとして決めておくべきところです。

この記事は一般的な情報の整理です。 個別の投稿が選挙運動にあたるかどうかは、内容・時期・文脈によって判断が変わります。 実際の運用にあたっては、必ず所管の選挙管理委員会、または選挙法務にくわしい弁護士にご確認ください。

告示前と告示後で、発信は別物になる

ここが運用設計のいちばんの肝です。

告示後にできるのは、限られた期間の選挙運動だけです。 その短い期間に初めて名前を知ってもらおうとしても、間に合いません。 勝負がつくのは告示前の政治活動期間で、そこで「この人はどういう人か」が伝わっているかどうかで、 告示後の伸び方がまったく変わります。

告示前にやっておくことは、投票の依頼ではありません。 日々の活動報告、地域の課題についての考え、人となりが伝わる場面。 これらを積み重ねておくと、告示後の発信が「知らない人からのお願い」ではなく 「知っている人からの連絡」として届きます。

支持が広がる発信の順番

公人のアカウントでよくある失敗は、政策の話から始めてしまうことです。 政策は重要ですが、誰が言っているか分からない政策は読まれません。順番があります。

  1. 人となりが分かるものを先に。どこで生まれ、何をしてきて、なぜ立候補したのか。 この土台がないと、以降の発信が宙に浮きます。
  2. 次に、活動そのもの。どこへ行き、誰と会い、何を聞いたか。 写真1枚と2〜3行で十分です。継続していること自体が信頼になります。
  3. そのうえで、政策。ここまで来ると「あの人がそう言うなら」という読まれ方に変わります。 抽象的な理念より、具体的な地域の課題のほうが届きます。

炎上を防ぐ体制のつくり方

公人のSNSは、言葉ひとつが選挙結果に直結します。運用体制で決めておきたいのは3つです。

まとめ

選挙のSNS運用は、短期の勝負に見えて、実際は告示前の積み重ねで決まります。 ルールを守ることは前提として、そのうえで「どういう人か」が伝わっている状態をつくれるかどうか。

わたしたちは地方選挙から衆参両院選挙まで、公人のアカウント運用をお手伝いしてきました。 スケジュールの引き方から体制づくりまで、ご相談は随時お受けしています。

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